固定
固定は外固定と内固定に大別され、外固定は皮膚の外側より間接的に骨や関節を固定するものです。 主として硬性の固定材料が用いられますが、軟性の固定も含まれます。 外固定というのは患部の安静を得ると同時に早期回復に導くことを目的としています。
固定の必要性
転位のおそれのある場合に限って固定を必要とします。
- 整復位の保持と再転位を起こさないため。
- 安静位でも重量や筋の作用によって変形を起こさせないため。
- 動揺による転位を起こさせないため。
固定材料
金属副子
もっとも古くから多量に使用されている金属副子は手軽で四肢の固定に応用され、 軽くて自在に変化を付けられるので、応急の固定としても考案を加えて種々の牽引時の固定に用いられます。
副木
やわらかみのある木が主材で柳や科木が好んで使われています。
合成樹脂副子
加工も簡単で保存も出来るので利用度が高まってきています。
厚紙副子
ボール紙なので固定力は弱く、骨折の重度のものには不向きですが、 広い部位で転位のない軽度の骨折や捻挫等に用いられます。
ギプス
石膏を包帯に刷り込ませて熱湯に浸して損傷部の固定に用いるものと、 変形の矯正や装具を作成する際に用いられます。 固定力が強く順応性がないため硬化後は骨折部の腫脹またはその後の痩削にも応用しにくいものです。
軟性材料
巻軸帯
主にもっとも多く使われます。 技法によっては固定力も強いので、固定の主材料としての条件も備わっています。
サポーター
弾力性に富み、着脱が簡単なのが特徴です。
絆創膏(テーピング)
綿布に粘着剤を塗布しているもので、持続保持・矯正・牽引など広く用いられます。 粘着伸縮性のものは関節や筋腹損傷に用いられ、粘着非伸縮性のものは靭帯損傷時や牽引時に用いられます。